回想録~その1~『ニート、ハンターになる』
とある歴史情緒溢れる町の片隅に
モラトリアムを卒業し、晴れてニートになった荒ハンがおりました。
(まぁ正しくは”モラトリアムを卒業して久しい”ですが)
在学中、就活なるものを心ここにあらずのうわの空状態でスルーし、
社会人というポジションを華麗に右から左へ受け流し、
なんだかんだで気付けば卒業してから早1年半、
”目標”もなければ”やる気”もない、
ただただ時間だけが過ぎていく残念な毎日を過ごしていました。
そんなある日の夕方、
いつものようにゴロゴロとテレビを見ていると
”農業、林業への野生動物の被害が深刻化”
”狩猟者の高齢化と減少、なり手の不足”というニュースを目にしました。
その瞬間、モラトリアム自堕落ニートライフで
はるか悠久の彼方で永い眠りについていた”やる気”が目を覚ましたのであります。
「これだっ‼」
もともとフィールド活動が好きだっこと、
人と違うことをやってみたいという好奇心、
高齢化している業界なら若年の自分が入れば活躍できる!という根拠のない自信
そしてなにより目的のない日常に”めざしたい目標”ができた喜び
これらの感情が瞬時に脳内を駆け巡り、
気付けば「狩猟」、「ハンター」、「猟友会」など、それらしい単語をググり倒していました。
しかしググり倒しただけでは飽き足らず(文章の読解力が足りなかったので)猟友会の事務所にもおじゃましてあれこれ説明して頂きました。
さらに銃砲店にも行き質問ラッシュをかけていたと記憶しています。
・狩猟をするには使用する猟具ごとに免状を取得しなければならないこと、
・猟銃は狩猟免状とは別に所持許可証というものを取得しなければならないこと、
・猟銃の許可は狩猟免許と違い取得まで時間もお金もかかることなどなど。
そんなこんなでお金も時間もかかる”猟銃取得”はあとにして、まずは”銃猟の狩猟免許”を取得すべく申し込みをしました。
この狩猟免許の試験、なにやら事前講習会があるらしく、この講習を受けることで合格率がグッと上がるとの情報をキャッチし、すかさずこちらにも申し込みを済ませました。
ーー事前講習会ーー
時間は朝から夕方までの丸一日
法律や猟具、狩猟鳥獣についてのレクチャー
実際の試験で行われる模擬銃の分解・組み立ての実践など
講習内容とは関係ないですがテレビでは「高齢化が~」、「若い世代のなり手が~」と言っていた割に若い人がたくさん受講していることに驚きました。
てっきり自分以外はお爺ちゃんだらけなのかなという勝手なイメージをしていたのであります笑
何はともあれこれで試験対策はバッチリなはず。
あとは試験をクリアするだけである。
ーー試験当日ーー
筆記試験
体力測定
猟具の実技
距離目測
ざっくりこんな感じの試験内容でしたが、
事前講習のおかげで問題なく試験を終えることができました。
数日後の合否発表で無事合格が判明、
免状を受け取り、ここに新米ハンター荒ハンが誕生したのであります!
(免許を取っただけなので厳密にハンターなのかという疑問はそっと胸にしまっておきましょう)